CuT-2

□放たれる二律背反
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「あんな奴らは滅んで当然だ」
「そんなことない、そんなこと言うな!」
「なんでだ!なんでお前はそんなにあいつらを庇護する?!」
「だって…、でも黒」
「お前は自分を傷つけた存在すら愛し続けるのか」
「……黒、俺は」
「もういい。わかった」

無理矢理に話を終わらせて背を向けた。会えばかなりの確率で交わされるこの話題に今日も答えは出ない。

何故なら本当は俺もMも何もわかってなんかいないからだ。




するりと伸びた影が心配そうに揺らめいて、だが何も口にはしない。

「えぐられるような痛みを受けて、なおも愛せるなんざ俺には理解できねぇな」

Mは神だからあいつらを愛せるのか?
俺が死神だからあいつらを愛せないのか?

「なぁ黒」
「………なんだ」

俺が吐き捨てた台詞を返したかったんだろう、背中からMの声がかかる。
無視すればいいが俺はそれができずに顔だけ振り向かせた。

「俺は、…俺の生んだすべてを愛してるんだよ」
「…だから?」
「俺が生んだわけじゃないけど、愛してるやつらの中には黒も含まれてる」
「………」
「皆、大事なんだ。俺には全てを見渡せる大きさなんて今はないけど、皆を愛したいんだよ」
「M、もしかしてお前」
「だから、ね?」

どういうことだ、と。返せなかった。
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