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□夏の終わりに
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なんやろ。
なんか、最近倦怠期な感じがする。
子供(厳密に言えばちゃうけど)も増えて夫婦愛とか家族愛が深まるはずなんに、黒のツンデレ具合が深まってばっかな気ぃするわ。
なんや、ほのぼのなやりとりがしたいねんな。皆でおるだけでも幸せやけど、それだけじゃ足らん。
贅沢かなぁ。
「ため息」
「ん?」
「ため息、出てるよ」
紅ちゃんに言われて初めて気がつく。
「幸せが逃げるって、六が言ってたよ」
「ん…せやなぁ」
スーパーで買ったもんを袋詰めにしながらの会話。
明るく話題転換したかったんが、すぐには無理やった。
「ん?んん??」
返す言葉を探そうとして頭をあげたら、目の前にでかでかとポスターが。
゙納涼花火大会゙
の文字に閃いた。
「これや、これに行こう!店員さーん、このポスターくれへん?」
「あの、紅、時間覚えられるよ」
図ったみたいに、開催は今日て書いてある。
「こりゃあかん!帰ってすぐ準備しよや、紅ちゃん走るで!」
「う、うん!」