眠り姫は籠の中
□NothinG
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呆然と立ち尽くし、爆音の余韻が残る耳鳴りがおさまってようやく、私はその場へ膝をついた。
守れなかった。
友人を。
「そこにいるのはロキかい…?」
突然聞こえてきた声に心底驚いて、同時にリデルの戦っていた存在を瞬時に思い出す。
さらに声の主に、私は抱きたくもない疑念を芽生えさせた。
「ロキ…そんな目でみないでよ。ぼくを忘れたわけじゃないでしょ?」
「お前がリデルを殺したのか」
完全な死体になってしまった友人を背に、にこやかに微笑むスマイルを睨む。
「やだなぁ、怖いよロキ。ぼくが殺すだなんて、そんなことできるわけないでしょ?…知ってるくせに」
「……………」
「…まさかぼくがリデルを好きってこと、忘れた?」
警戒しろ、信じるな。
こいつは私が知っているスマイルじゃない、何かが違う!