眠り姫は籠の中
□NothinG
3ページ/9ページ
考えにふけりながら歩いていくうちに、何か嫌な胸騒ぎがした。
立ち止まると同時に聞こえてくる、よく分からない音の連続と叫びとも呼べない咆哮のような声。
「……まさか」
息を飲んで駆け出す。
間に合ってくれ、頼む…!!
風の力を借りて一気にその場に
あと、少し
閃光、 爆音そして 明滅。
望まない結果が、私の目の前で私を嘲るように再生された。
リデルが消えていく。
四肢を自ら引き裂くように、バラバラに。焼け焦げながら。涙を流し。
……消えていく。
私にできたことといえば、自身が爆発に巻き込まれないよう身を守るだけだった。