BlacK
□∵愛∴
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『ううん…ゆぅり……、
もしかして、かみがキライなの?』
「………」
答える事はせず、分からない、と感じた。
怖いかと問われればすぐに肯定しただろう。
しかしそれは嫌う事に直結しない。
私達の出会いのきっかけになった、両親を奪った者達は今でも憎い。
それは否定できない。
だからといってそいつらをあの世界丸ごと消した神に感謝はしないが…
「苦手なのかもしれないな」
『ニガテ?』
説明しがたい感情に悩んでいると、遠くから足音が。
「!!」
『帰るね、ゆぅり。ばいばい』
「…あ、あぁ」
小さく手を振ると共に、素早くハテナは消えた。
しばらくして足音の持ち主が穏やかな笑みで私の前に立つ。
「ただいま、ユーリ」
「………」
あぁ。
また、沈黙の時間が訪れる。
早く明日になればいいのに。