BlacK
□∵愛∴
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そんな鬱々とした気持ちで過ごしていたある日。
綺麗な旋律と小さな光が世界の隅に現れた。
かりそめの場所だから狭かったそこのおかげで、
その正体――ハテナを見つける事が出来た。
最初は互いに驚いたけれど、私達はすぐに打ち解けた。
ハテナは言葉をまだ上手く話せないが、教えればすぐに覚えていく。
もちろん、神にはこの事を言わなかった。
秘密を持つという事で後ろめたく、そして自分が危険に晒されるかもしれないという不安はあっても、この存在はどうしても守りたかった。
……初めての友達だったから。
『……り、ゆぅり』
「え、あ…すまない、なんだ?」
しばらく考えにふけっていた私はハテナの呼びかけに慌てて笑みを見せた。
『ぼく、かみって子に会ってみたい』
「…!駄目だ!」
突然の申し出に反射的に怒鳴って、
しまっ、 た。
そう、思った。
ビクビクと震えるハテナに、どう言葉をかけるべきか迷って、
なんとか言葉をひねり出す。
「…駄目なんだ。その……、うまく、説明はできないが…。
……怒鳴って、すまない」