CuT

□暗夜行路
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道の途中でいくつもの障害につまずき、そして慣れたあの匂いを何度も嗅いだ。


『神は私が眠りについている間に、どんな思いでいる?』




その答えがこれなのだと、終わりも見えないうちから悟った。

やはり私は罪深い。


「そろそろいいかな…」

だいぶ歩いて、傾斜を登って、小高い場所へ来た時に神が呟く。

目隠しが払われて、目の前には満面の笑みを浮かべる神が。


差し伸べられた手を自然にとって、私も笑みを返した。

「やっと会えたって感じがするでしょ?」
「…あぁ、そうだな」
「ユーリの聞きたい事の答えになった?」


問われて、私はたどってきた道を振り返って、それから見下ろす。



やはり、思った通り。


道には無数の、

死体。

死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体。



幾つも乗り越えて、散らかして、
そうまでして進む辛さはどんなものだったろう。

「……充分な答えだよ」

お互いの血塗れになった足元と服を見て、
神が朗々と歌う、謡う、謳う。




"行きはよいよい

帰りはこわい

こわいながらもとおりゃんせ…"











私は目を伏せて、
もう戻れない時を少しだけ恨んだ。



09.6.2
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