BlacK-2
□甘い惨劇
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俺が側に来たことで落ち着いたらしいMは、さっきよりも落ち着いた声で小さく謝る。
「謝るようなことかよ」
「だ、だって…」
「つーか、謝るにしても何がどうなったか説明してからが先だろう」
「う……」
Mの目が少し泳いで、やがて観念したのか重そうに口を開く。
「笑わないでくれるか?」
「たぶんな」
「…;あー…バレンタインのチョコを黒にやろうって思ってたんだよ。
けどそれだけじゃ恥ずかしいから、今日はめでたい日、とか言って鯛を刺身にして出そうと、って笑うなあぁあ!;」
思わず吹き出したのをとがめられ、慌てて顔を引き締めた。
「悪い。…で?さばこうとしたはいいが、睨まれたっつーわけか」
「そうだよ!初めてだけど出来るって思ったんだ、そしたらすげぇ睨んで、ってだから笑うなって!!;」
こらえきれずに声に出して笑いながら、口を押さえたのとは反対の手でMの頭を何度か軽く叩いてやった。