real
□LOVE
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俺は君を神に等しい存在にしたくなかったから。
ずっとずっと生き続けるのは、とても辛いことだから。
よく考えてみてほしい。
関わるもの全てを置き去りにして、見限る冷酷さを持たなければならず、反対に置き去りにされ見限られてもすがらず、ただ淡々と心を平坦にならして何も感じない。
そんな自分にならなきゃ、永遠なんて耐えられるものじゃない。
俺はいいんだ。
…もう、慣れているから。
でもユーリにはそんなこと悟らせたくなかった教えたくなかった強要したくなかった。
何より変わって欲しくなかった。
もしかしたら、あの願いを叶えてもユーリは変わらなかったのかもしれない。
優しくて儚くて、柔らかな笑みを浮かべてくれるユーリのままでいたのかもしれない。だけどたぶん、その笑顔はやがて俺にしか向かなくなるだろう。
…ユーリは不器用だから。
他の存在にまで「変わらない自分」でいられることはできないだろう。
ユーリの愛がそんなふうに変わってしまうのは嫌だった。
俺だけが愛されれば何でもいいってわけじゃない。贅沢かもしれないけど、分け隔てなく優しくあれるユーリはいつまでもそのままでいて欲しくて。
つまりだから、…俺なんかのせいで君を壊したくなかった。あるがままでいてほしかった。
心の奥底から、君を愛していたから。