real

□LOVE
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…二つ目の理由を話そう。


それはユーリがあの願いを口にしたことだ。


でも勘違いしないでほしい。

俺は君があの言葉をくれた瞬間、本当に嬉しかった。涙が出そうなほどに嬉しかった。
あの時まで生きた中で、あんなに素晴らしい願いを捧げてくれた人は君しかいなかったから。

胸の内が満たされた、あたたかい気持ちになれたんだ。初めて、生きてきてよかったって思えたんだ。
ただ求められてきただけの俺に、とてつもなく大きな愛を未来永劫に与えてくれると言ったのだから。


…あぁ、君の願いの真意はちゃんと分かっていたんだ。
あの時心を読まなくても、そんな力を使うまでもなく君の思いはちゃんと伝わってきていた。
だって恋人同士なんだ、分からないはずがない。

俺の隣にずっといたいって望んでくれて…本当に、本当にありがとう。

――今はこうして感謝しているけど。
あの瞬間は嬉しくなるはずがためらってしまった。愛している人とずっと永遠に一緒に過ごすことが俺の密かな憧れだったのに。

でも怖じ気(おじけ)ずいたんじゃないよ。
君からの想いと愛をまるごと受けとめる前に、俺は君の幸せの行方を心配したんだ。
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