眠り姫は籠の中

□GoD
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「なんて惨い…!こんな、」
「そう?スマイルはアッシュを殺さなくちゃ俺に辿り着けないんだから正しいことをしたまでだよ」

私は息も絶えそうなほど胸が苦しいのに、エムはさらりと返した。
すぐさま睨みつけて、それしか出来ない状況に腹が立ち奥歯を噛みしめる。

「そんな顔するなよ。この調子だと思ったよりすぐに全滅しそうだ、ユーリもその方がいいでしょ?早く終わればそれだけ早く永遠の命が得られるんだから!!」

さも可笑しそうに高笑いをして、エムは満足そうに深々と息をつく。

「ずっとMには神って立場は荷が重すぎると思ってたんだ。なら、代われる誰かさんにきちんと引き継ぎをしなきゃだろ?」

笑みを浮かべ、黒神が半眼で見下すような視線を投げてきた。

「心ゆくまで、地獄に変わる世界とこの宴を見ているがいい」










――それから、再び命が消えていき。
泣いて、届かない命乞いを殺される側の代わりに叫んでもエムは聞く耳を持ってくれなかった。

その姿を見て何度悔やんだか、数知れない。



もう自らの涙も声も枯れたのではないか、そう思いかけていた頃、ふいに意識が途切れた。
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