眠り姫は籠の中
□GoD
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真っ暗な闇が私を覆って、一瞬の間に沢山のスクリーンが並ぶ無機質な空間へ誘(いざな)われた。
「エム、何をする気だ!今すぐやめろ!!」
地から伸びた細い柵に形を変えた闇が邪魔をして、私はただ叫ぶしかない。
エムは深い椅子に腰掛けゆったり足を組んで、その上に両手を重ねて、
「嫌。終わるまでは、見届けるまではやめるわけにはいかない」
寛大な態度で残酷な台詞を口にする。
「ユーリ、生き物なんて強欲で醜くて愚かで弱いものだよ。……ほら」
す、と細い指先が指した先に映し出された画像に目が釘付けになった。
スクリーンの向こうには、よく知った顔、今一番会いたい者達が映る。
「アッシュ…、スマイル!」
二人が異常なほどに張り詰めた雰囲気であることが、側にいないのによく分かる。ことにスマイルは今にも壊れそうに焦点の合わない目をしていた。
そのうち、わけの分からない会話が始まり。
「ぅ……あ、わぁああ゛あぁあ、やめろ、やめてくれぇえッ!!」
画面が真っ赤な飛沫で汚れてすぐに塗り潰された。