眠り姫は籠の中

□EasY
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ここにくるまでの立ち回りは本当に楽じゃなかった。


――とりあえず邪魔になりそうな素人の行動は、ひとまず一番に足枷の意味で武器を渡しておくことで保険をかけた。
下手に慣れない物を持った奴の行動はたいていの場合、暴走。

そうなるまで少し時間はかかるが問題ない。
それから、戦いに慣れた連中に絡まれないよう、察しやすい殺気は全て避けた。
これだけのことを、挑発しておいた六を遠ざかりすぎないよう近付かせないよう行ったんだから、いつもの仕事で例えるなら報酬を倍はいただきたいくらいの働きっぷりだ。



六はまともにやり合っても五分五分の相手だと踏んでいた。
今回の場合、六の組にいる連中がいるから勝率はあまりよくない。
六の性格上、おそらく仲間を守ろうと実力以上の力を出すからだ。この状況だと、負ける。

ならそれをひっくり返せばいいだけだ。

六が守りたいだろう対象を狂わせて、六と対象を引き離す。
そうすれば勝率は簡単に跳ね上がる。

案の定というか計算通りというか、一般人にはキツすぎる戦場は思惑どおりに動いてくれた。
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