眠り姫は籠の中
□AlL
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「そんな…ハヤト!しっかりしろよ、なぁ!神になって助けたい奴らがいるんだろう!?」
「すみません…、先輩。僕、自分の目標に……先輩まで巻き添えにしようとして」
力なくハヤトは笑って、残った方の震える手でリュータの手を取る。
「罰が当たったんです、…身の程知らずな、願いをしたから」
「んな事ねぇよ、…死ぬな……ハヤト!」
「六さん」
「!………」
ハヤトが口から血を流し、苦しそうにしながらも穏やかに笑った。
「…先輩のこと、お願いしますね」
「………あぁ」
しっかりと、安心させる為に頷くと、ハヤトは満足そうに目を閉じた。
二度と、目を開くことはなかった。
「うぁああぁあ、あぁあっ!!」
リュータが泣き叫ぶのを背に、ただ立ち尽くす。
おそらくこの有様を掃除屋はどこかから見ているだろう。
――ふざけやがって…!
何が狙いかは知らないが、戦いに身を置くこともせず傍観に徹するつもりか!!
いつの間にか空に立ち込めた雷雲が、俺の気持ちを代弁するかのように低く唸った。