眠り姫は籠の中

□SounD
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僕に銃を渡したあの人はたぶん、そんな戦いが見たくてあんなことをしたのかもしれない。

だけどそうはいかない。
むしろ、僕は望んで最後の標的になろうと思う。油断させて、返り討ちにしてやる。

逆にやられるかもしれないなんて考えない。
加虐心を煽る言動なら分かるつもりだ、あまり誇れたことじゃないけど経験上よく知ってる。

だからみっともなくても情けなくても、命乞いをすれば相手は必ず図に乗るだろう。


そうなったら懐に飛び込んで、顎の下から脳天にかけてぶち抜いてやる。何もできなかったあの頃の僕とは違うんだ。



――そしてついに死体と遭遇。先輩が逃避行に疲れたのか、僕に言い訳じみた弁解のような言葉を零したものだから、つい。

「リュータ先輩」


久々に、先輩の名前を呼んだ。とっさに出たそれに自我が緩みそうになる。
そして気付けば僕は先輩を、

「僕達は今はこの戦いから逃げるべきです」

僕の考えへと誘導してしまっていた。
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