眠り姫は籠の中
□DesirE
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僅かな期待をこめた探索で得たものは、疲労と空しさ、絶望。
「…もう、取り返しはつかないのかしら」
力ない声が闇に溶けていく。
まだ諦めないでと、あれだけの惨劇を目にしたはずの理性がかすかに訴える。
でも、「想像したくはなかったけれど、分かりきっていた現実」を見た本能はとうに疲れ果てていた。
もうすでに、四人も死んでいるのだ。
酷い死に様だった。
私一人が誰かを、あるいは何かを信じたところで事態は変えられはしない。人が殺されるとはそういうことだ。
「…誰かが断ち切らなければ。私がやらなければ」
憎しみの連鎖は終わらない。