BlacK-2

□末路の先
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つないでいた手を離された。

「もう、一人でも大丈夫だから」

唐突にそう言われて、Mは俺の前から消えた。
俺からの答えを聞く暇もなく。


「…なんでだよ…!わけがわからねぇよ!なんで!俺は、お前をっ」

わめくように叫んだ途端、言葉が繋げなくて思わず喉に手をあてた。

俺は、Mを。どう、思っているんだろう。
あいつ自身の影から自らの意思で生まれ出た俺はあの日から、いいや影だった時からずっと、Mの苦しむ姿を見てきた。

神として人間からいいように崇拝され恨まれ奉られ蔑まれる、翻弄されるだけの姿。
そして懺悔と後悔の涙で濡れる横顔を眺めつづけて、当然のように人間に憎しみしか抱けなくなって。

だってあんまりじゃないか。努力もせずに叶う願いなんてないのに、あいつらはすがることしか知らない。失うことは避けられないのに、あいつらはすぐに俺達のせいにする。

だから俺はMがもう泣かなくていいように、あいつらを消しただけなんだ。
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