シリーズ小説
□【Tea houseシリーズ】
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―――いつもの朝……
背中を向けて眠っている相手の肩に手をかけてこちらを向かせると、そのまま自分の胸の中へ抱き込んだ。
プラチナの髪に顔を寄せると、ドラコの少し湿った汗を含んだ香りが鼻腔をくすぐる。
ハリーはその首筋に鼻を摺り寄せた。
夜、眠るときまではドラコはパフュームを付けない。
上品な香りの昼間の彼も大好きだったけれど、この何もつけていないドラコの匂いがとても好きだった。
ドラコのまぶたが動き、ぼんやりと相手を見つめる。
しかしとても眠たそうで、また今にも眠りに落ちてしまいそうなほど動きが鈍かった。
柔らかくほほにキスをすると、くすぐったそうに首をすくめて瞬きを繰り返す。
そうして目覚めたばかりのドラコは、いつも何かを探すように視線をさまよわせて、やがて自分の顔を見つけると薄青い瞳を細めて、いつものように名前を呼んでくれた。
「――ハリー……」と。
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