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□3.*Gold*【ドラコ×ロン】
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笑いながら、ぴったりと寄せたロンのシャツの前に手を伸ばして、背後からその首に巻かれているタイを外そうとする。


「やめろ、マルフォイ!」

「やめない。いつでも素直じゃないお前の戯言なんか、一切聞く耳など持たない」

シュッと軽い音を立てて、慣れた手つきで獅子の刺繍が入ったタイをほどき、上ボタンを2つほど外すと、詰めていた襟元がゆるみ、ロンは浅く息をついてまぶたを揺らした。


「夏のあいだ僕に会えなくて、ひどく寂しかったろ、本当は。ウィーズリー?」

耳にドラコの暖かい息がかかり、ぞくりとした感触に首をすくめる。


ロンはゆったりと苦悶に使い表情で首を横に振る。

「―――ハッ!いったい誰が、お前のことなんてっ!」

威勢のいい憎たらしい言葉を言い放ち、ロンは相手の腕から抜け出そうともがいた。


「放せよ、バカマルフォイ!!」

肩を激しく振って腕で相手の胸を押して、足まで使ってドラコを蹴ろうとする。

「なに照れてるんだ、ウィーズリー?久しぶりで、甘え方を忘れたのか?」

暴れる猫をあやすように、その自分の腕に抱こうとしたが、容赦なくその手を叩き落された。


「僕にさわるなと言っているのが、まだ分からないのか!!」

カッとにらみつけてくるロンの瞳は、まるで他人を見るような冷ややかな色を宿している。

ドラコの顔に一瞬戸惑いの表情が浮かび、すぐに消えた。


すぅっと透明な青い色を帯びた瞳が、糸を引くように細められる。

「―――どうしたんだ、ウィーズリー?夏のあいだに何かあったのか?僕と会っていないあいだに、いったい何があった?」


ロンはそんな相手の顔すらまともに見ようともしない。

ちらりと視線を外し、上を向く。


そこには彼の親友の姿が遠くに見えた。箒を駆り、少し暗くなりかけの空で、縦横無尽に跳び続けていた。

頭をキョロキョロさせているのは多分、スニッチを真剣に探しているのだろう。

ロンはそんなハリーの姿ばかりを、目で追っていた。


それに気づいたドラコは思い切り不機嫌な顔になり、舌打ちをする。

「―――まったくっ!!お前は尻軽女みたいだな。あっちへ行ったりこっちに寄り添ったりして、自分がひどく魅力的だとみんなに愛想でも振りまいているのか?」

ドンと乱暴にロンの肩を壁に押し付けた。


「お前は本当に馬鹿だ、ウィーズリー!久しぶりにこうしてふたりきりになれたから、お前にとてもやさしくしてやろうと思ったのに、僕を怒らすことばかりして」

ぎりっとつかんだロンの腕を、容赦なく後ろにねじ上げる。

「………ああ、痛い!」

ロンが顔をしかめる。


ドラコはそれを見下すような皮肉めいた表情で、おもしろそうに相手を見つめた。

「お前のその痛がっている顔はいつ見ても、一番そそられるよ」

ドラコはぺろりと舌先で、苦痛でしわが寄ったロンの鼻先を舐めた。


「――――ここでしよう、ロナルド。ここで、あいつに見つかるかもしれないこの場所で、二人で抱き合おう。きっとそれはひどく楽しくて、お前も気に入るさ……」

ドラコは顔を寄せてささやく。


ひどく甘ったるい声だ。

まるで毒を含んでいるようなぞっとする甘さに、ロンはうつむいたまま、首を横に振り続けた。


「………嫌だ、やめろ。マルフォイ!」


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