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□1.*SilverCat*【ドラコ×ロン】
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ふたりはひとつの教科書をのぞきこんで、ドラコの説明に相槌を打っていると、背後に影が出来た。


「―――いったい何しているの、ふたりで仲良く、肩まで寄せてさ!」

ものすごく不機嫌な声がした。


「ああお帰り、ハリー。打ち合わせは終ったの?」

ロンは気軽に振り返って、笑いかけた。


「うん、今まで長引いちゃって。―――ってそれよりも、なんでマルフォイが君の横に?」

じろっとハリーは相手をにらみつける。


「勉強教えてもらってた」
あっさりとロンは答えた。


「それなら、あんなヤツよりも僕に聞いてよ!」
勢いこんでハリーが言うと、「まさか」と相手は首を振った。

「君と僕とじゃ、焦がした鍋をたわしでこするぐらいの知識しかないじゃないか」
と肩をすくめる。

「ハリーは自分の学力を知らなすぎだよ」

ロンはヤレヤレという困った表情をした。

そんなふたりの会話をおもしろそうに見つめて、ドラコは小さく笑う。


「まったくロンの言うとおりだ」

その失礼な一言にハリーはドラコをにらみつけた。

ドラコは余裕たっぷりに、ロンの肩を抱くようにさりげなく回していた腕をこれみよがしに、ハリーの前でヒラヒラさせた。


ハリーの顔がひきつる。


おもむろに、パシリとドラコのその手をはたいた。

「イタタ……」
嫌味ったらしくドラコは大げさに痛がるそぶりをする。


「ロン、君の友達は暴力的でイヤだね。―――やっぱり友達は選ぶべきだ」

どこかで聞いたことがあるセリフを、いけしゃあしゃあとドラコは発した。


「この僕のようにな!」

そう言ってさりげなくロンの肩を抱き、ほほにチュッと音をたてて軽くキスをする。


「なぬっ!」という顔のロン。

ハリーが怒りのあまりドラコに食ってかかってきたが、猫のようにひらりと身をかわすと、片方の口元だけ上に引いて笑った。

ニヤニヤと人が悪い笑みだ。


どちらをからかっているのか、もしかしてその両方なのかすら分からない。

いつもシニカルな笑みのドラコは、いったい何を考えているのかさっぱり表情が読めない。

光が当たると淡く透けてシルバーに見える瞳が細められた。


それを見て落ちない女の子はいないとさえ言われている極上の笑みで、「またな」とふたりに言ってその場所から離れた。


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