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□1.*SilverCat*【ドラコ×ロン】
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ロンはイライラしながら、相手のことをにらんだ。

(苦手だ。こいつには近寄らないほうがいい。下手にこいつが近寄ってきたらいつも、ろくでもないことばかりが降りかかってくるし……)

ロンは眉間にしわを寄せて睨みつけ、あっちいけという態度をしめした。


そんな相手の邪険な態度も意に介さず、平気な顔で話を続ける。

「―――ああそうだ。今日スネイプ先生は実験するんだってさ。前の授業のとき論理は一応習っただろ。それを証明するため実験だそうだ。ところでロン、お前は前の講義の内容をちゃんと理解しているよな?もちろん」

「……―――むむ……」
ロンはうつむいて、うなった。


(やばい、全く思い出せない。また嫌味を言われるのか)

げんなりしたロンの顔を見て笑いながらドラコは本を開くと、「ここだ」と指で示した。

「お前、昨日さぼっていただろ?なんで知っているんだ?」

胡散臭そうに相手を見上げる。

「さぼりじゃなくて、僕は頭痛持ちでね。保健室で寝ていたんだ。クラッブが昨日のことは教えてくれた」

「へぇー………、君が病弱な頭痛持ちとは知らなかったよ。初めて聞いた」

ロンはさりげなく嫌味を言った。


「まぁ、そう言うなって。寝不足はお肌に悪いんだ」
とドラコは苦笑する。

「何で寝不足なのかはお前のことだ。どこで誰といたかなんて、野暮で聞かないけど………」

「そりゃあ、ありがたいね。お礼にもし空き部屋を探したいときは聞いてくれ。君にとっておきの場所を紹介するよ」

相手をからかうようにドラコは答える。


「―――空き部屋なんかいったい、何に使うんだ?」

キョトンとした真顔で尋ねてくるので、ドラコは大きな声で笑ってバンバンと相手の肩をたたいた。

「さすがはウィーズリーだ!最高だな、お前はっ!とても鈍い!」

おもしろそうに笑い転げる。


それはよく言われるセリフだった。

「鈍い」とか「うとい」とか、「さすがはロンだ」とか。

うんざりする。

みんなからそう言われてしまうのはどうしてなのか、それすら気づかないことがこのロンの鈍さだ。

ロンは眉を寄せて、怒った顔で腕組みをした。


「実験方法を教えてやるからさ、機嫌なおせよ」

「なんでさぼっていたヤツから教えてもらわなきゃならないんだ」

ぶつくさ言いながらも、ドラコの説明に耳を貸す。


なんだかんだと言っても結構ドラコはロンのことをからかいつつも、面倒をみていた。

「お前、別荘で飼っていた赤毛のデッカイ犬によく似ているんだ」
とか、訳の分からないことを言ってロンに邪険にされながらも近寄ってくる。


しかもドラコの説明は的を得ていて、簡潔で分かりやすい。

論理が多く言葉数も多いハーマイオニーの説明より断然よかった。


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