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□1.*6月の花嫁*【ペチュニア→リリー←ジェームズ】
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彼女にとって姉が全てだった。


賢く口が立ち、エメラルドの瞳は大きく、赤みを帯びたブロンドは輝きを放っていた。

男勝りで快活で、いつも人の中心にいるような、選ばれたような人物だった。


跳びぬけた特性もなく内向的でやせっぽちな自分と、世間はよく比較したものだ。

「ペチュニア。おまえは姉さんに全部いいものを、持っていかれたな」

冗談でも誰かがそう言おうものなら、相手に食ってかかるのは自分ではなく、姉のほうだった。

「まぁ、あんたの目は節穴なのっ!!このかわいいペチュニアの、いったいどこを見て、そう言っているのっ!このクルクルとウェーブした絹糸のような髪。かわいいまつげ。抱きしめたら折れそうな細い体。桜貝のような可憐な爪先。このハシバミ色の瞳は、光が当たると、薄っすら緑にもなるわ。……まるで、天使よ!それを分からないなんて、あんたバカ?バーカ!バーカ!」

失礼極まりないことを、平気で姉は言ってのけた。



幸せな少女時代だった。

――――そうあの男と出会うまでは。


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