シリーズ小説
□【世にも奇妙な物語シリーズ】
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ハリーはリビングの散らかったものを片付けると、テレビを切り部屋の明かりを落とす。
ドラコが出てくるので廊下の電気はそのままに、ベッドルームへと入った。
鏡の前の洋服掛けには自分のスーツとドラコのスーツが並んでいる。
こうしとけば朝寝坊しても大丈夫だと、ドラコが勝手にしたものだ。
クローゼットには自分の服ではないものが何着かあり、サイドボードにはクィディッチマガジンのほかに読みかけのミステリー小説がある。
ハリーは小説は読まない。
こうして自分のものではないものが、自分の住んでいる部屋に増えていっていくのは悪くはない。
週末はこうしてふたりして夕食を作り、そのまま泊まることも当たり前になってきた。
もっとこの部屋にドラコのものが増えたら、きっと相手は週の半分はここで過ごすと言い出すかもしれない。
ホグワーツを卒業してから、偶然再会したのはほんの少し前だ。
それが再会から一ヶ月もたたないうちに、こうして自分のフラットに泊まるのが当たり前になるなんて、今でも信じられないくらいだ。
ベッドに腰掛けると、ハリーは壁に掛けられている学生の頃の写真に目をやる。
そこにはドラコの姿などどこにもない。
犬猿の仲だったから当たり前だ。
それなのに―――
(まったく、ドラマなんかより現実のほうが絶対に奇妙じゃないか)
ご機嫌に首を振り、ハリーは笑ながら靴を脱ぎ、ベッドに寝転がったのだった。
■END■
■ 2008/05/01 up ■
◇「世にも奇妙な物語」の再放送を見て、思いつきました。
まったく、このお話はどれを見ても納得がいかないオチが付いています。
「なんで?」とかいつも思って、グルグルしている自分がいます。ドラマに踊らされています。
ホント、負けた気分です!!