*オリジナルSS*【下に追加されます】

□『家。』
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見たくなければ、目をつむればいい。
聞きたくなければ、耳を塞げばいい。

でも、見たくなくても、聞きたくなくても、感じてしまう"何か"をアナタは知っているでしょうか?


どこにでもある家、どこにでもある家庭。そんな家にこそその"何か"はいるといいます。
最初は小さな物音。
―…コツ コツ コツ…―
次は、水音。
「あれ?ちゃんと水道締めたはずなのに」
そんな事が続いたある日、私は何かの気配を感じる。

見られて…る?

家族以外誰もいない家の中。他の誰かがいるはずないのに…

落ち着くはずの家の中は、もう落ち着ける空間ではなくなってしまった。
確実に何か、不確かなモノに侵されていっている。

私は、気付いてしまったのだ。
私以外の家族は気付いてないのだろうか?この不確かな存在を。

1度その存在を認識してしまったら最後、逃れる方法などありはしないのだ。

"家"にいる時間はもう、戻らないのである。
あるのはただ、"何か"と空間を共にする時間のみだ。

時がたつにつれ、1つの疑問が私に芽生えた。
「今住んでいる家は、誰の家?」
"私の?私達家族の?"
それとも、"私達以外のモノ達の…?"

そして、その疑問は、私の中の何かをかえた。
"私も………"


その家はどこにでもあるような家で、でも何かがある家で。

今も、アナタの近くに、とても身近に存在していりかもしれない。

だからこの忠告を忘れないで。決して"何か"に気付かないように。

さぁ、今日も家な帰ろう。
自分の…いや、自分"達"の、その家に………。

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