その名に科せられた罪

□Valentine Ribbon
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目覚めて初めて目に入ったのは、雲ひとつない青空。

次に目に入ったのは君だった。



「おはよう。」

「今日もいい天気だね」

由布子はいつも僕の問いかけに笑顔で答えてくれる。

「そうだね」

僕達は小さな頃からずっとそばにいた幼馴染だ。

しかし、何時ごろからだろう。

由布子は少しずつ変わってきた。

二人で一緒に居る時間は減っていったし、会話の内容も変わってきた。

今は登下校を共にする以外で、あまり関わりはない。



寒い冬。

本日、2月14日。

小学生の時までは由布子は毎年、僕にプレゼントとシアワセをくれた。

しかし、由布子がシアワセを分ける相手はもう僕じゃない。

だけど、悲しいわけじゃない。

僕らはあくまで“幼馴染”だから。



「今年はチョコレート、誰にあげるの?」

別に何の意味もない。

素朴な質問。

「佐藤くんにあげようと思ってる」

「あぁ、良太か。アイツいい奴だもんなぁ〜いつから好きだったの?」


あぁ・・・楽しそうな、由布子。


頬なんか赤らめちゃって。


本気、なんだなぁ・・・


「高校入るちょっと前・・・」

「もう2年も片思いしてんの!?」

「まぁ・・・ね」

いつも持っていない紙袋には、きっとチョコレートが入っているんだろう。

大事そうに持っている。

「そうだ!ユキ、佐藤君と仲良かったよね?」

「うん」

「佐藤君に・・・・放課後、部室で待ってるって言っといてくれない?」

そっか、由布子は良太の部活のマネージャーだっけか。

「わかった」



由布子、ほんとに楽しそうだな。







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