小説

□『僕だけみてよ』
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『僕だけみてよ』




「宵風…離してよ。
勉強に集中出来ないってば…。」
「離さない。」
さっきからこのやり取りが続いている。

今日の宵風は壬晴から見ると甘えんぼらしい。



「…もう。」
わかったから、ね?
と言って宵風の行為に対し壬晴が折れた。
机に向かっていた体を宵風の方に向けたのだ。

「何か甘えんぼだね。…宵風かわいい。」
壬晴は自分より高い位置にある宵風の頭を優しくなでた。
「どうかしたの?」
おなかすいたの?
壬晴の問い掛けに対し宵風は
「壬晴がこっちを向いてくれないから…。」
寂しかった、とちょっぴり頬を赤くしながら言った。

「…ふふっ。」
そんな宵風の照れた顔を見て不意に笑い出す壬晴。
宵風は壬晴から目を逸らしていた。


「宵風、こっち向いてよ。」
壬晴は視線を合わせようとしない宵風の額に軽くキスをした。


「壬晴はずるい。」
宵風は壬晴の顔をじっと見てそう言った。


「…なんで?」
別にいじわるしてたわけじゃないでしょ、と壬晴は宵風の言葉を否定しようとした。

「僕が呼んでも見てくれないのに。」
「勉強は仕方ないってば…。」

ヤキモチを妬いているような宵風を壬晴はぎゅっとだきしめた。

「…壬晴?」
「みてほしいなら自分もみなきゃダメだよ。」

にっこりと微笑む壬晴に宵風は、少し恥ずかしそうな顔をしながら、

「僕だけをみて…。」
と言って唇にキスをした。

「みてあげるから。」
壬晴もお返しにキスをする。


「宵風、好きっ。」
「壬晴…僕も。」
壬晴から抱きしめられた力は、とても弱かったけれど…宵風は嬉しかった。


「俺は宵風以外によそ見しないよ。」



大好きな人が自分だけを見てくれる、と言ってくれから。


「それって独占?」

宵風と壬晴はお互い嬉しそうに笑った。

そして、どちらか分からないくらいのタイミングでキスを交わした。





僕だって君が一番。
君しか見えないよ。



僕の目には君以外色がないように見えるから。









……。
不明だから公開拒んでたんですけど。
もういいや♪
こんな管理人ですみません。(ぺこり)
一応ほのぼの系+甘でした…。
読んでくださった方、
ありがとうございました☆

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