小説

□『君がいない』
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『君がいない』







いつ眠りについたんだろう。
知らない間に眠気に誘われていたのかな。
先に寝ちゃってゴメンね、宵風…。




「おやすみ、壬晴…。」

少しだけ額に冷たい感触があった。








ここ、どこ?




ねぇ誰もいないの?






…返事してよ、ねぇってば。






真っ暗で何もない世界。






宵風、どこ?
なんで君がいないの?
俺をおいて先にいってしまったの?




「どうして…。」


思わず溢れでたきもち。

冷たいしずくが頬を伝って流れていく…。


泣いたって俺の声がただ響くだけ…。




夢かな、夢だよね?



信じたくないよ、こんなの。
…いやだよ、みたくないよ…。



「壬晴…。」
ふと振りかえると探していた君がいた。


何でそんな悲しそうな顔しているの?


「宵風…?待って…。」
泣きそうなその顔に触れたくて、手を伸ばしたら消えてしまうかのように色が透けていく…。


「よ、いて…?」



嘘だといってよ。
優しくだきしめてよ…。

「ゴメン、壬晴。」


君は切なげな笑顔をつくってそう言った。
触れた体は冷たくて…まるで氷のようだった。

つかもうとして走った。


「待って!」
おいていかないで。
…そばにいてよ。



君は光と一緒にはじけて消えた。



「そんな…。」


最後に見れたのが君の笑顔で良かった…。





でも。
思ってしまう。



「もう会えないの?」
何度もくりかえす。







もし、今夢から覚めたら君はとなりにいる?

それとも…。
この夢と同じように消えてしまっているの?




いや、いやだよ。
覚めたくないよ。


ここにずっといたいよ…。



「…るっ!」



「…え。」


「みはるっ。」
「よい、て…?」
「壬晴、大丈夫?」
夢の中で消えてしまったはずの君が俺の瞳をのぞき込んでくる。

「宵風がいる…っ。」
俺は宵風の背中に抱きついた。


夢だったんだ…。


「みは、る…いたい…。」
「…やだ、離さない。」


良かった…。
また会えた。
そんな気持ちでいっぱいだから、どうか今だけは俺を見ないで。




きっと泣いてるから。



「どうしたの?」
と聞きながら、君は優しく頭をなでてくれる。


「いなく…ならない、で。」

どうしよう。
涙声でうまく言えない。


「消えないよ。」


宵風は笑ってくれた。

「壬晴が悲しむことはしない。」
そう言いながら俺の涙を拭いてくれた。

「今、僕の体温感じるでしょ?だから大丈夫だよ。」
「…うん。」



落ち着いた俺は宵風にべったり抱きついていることに気がつき顔を赤くした。
急いで離れようと思ったら。

「壬晴。…一緒に寝よう。」


逃げようとした手をつかまれ宵風の腕の中に包まれてしまった。


ぬくもりあったかいや…。



君がそばにいてくれる。
次に目が覚めたときもきっと、となりにいてくれる…。


そんな安心感に満たされた俺は宵風にだきしめられながら再び目を閉じた…。








口調がおかしいです。
これ、最初の方につくったものなんです…。
だから許して下さいっ!
読んでくださった方
ありがとうございました♪

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