キリリク
□幼児化
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「うん!はる、おになるの!」
…いや…鬼にはなれませんよ…
…それを言うなら、鬼役やるだろうが…
上から信時、次に黎也の心の声だった。
結局鬼は春海に決まり、場所はリビングに決まった。
リビングだけでもかなりの広さがあり、下手しら一軒家が入るくらい大きかった。
そのため、春海の小ささを考え、リビングだけの決行となった。
「いくよ〜……よういドン!!」
その声をきっかけに春海は黎也と信時を追いかけ始めた。
初めは信時で、春海は捕まえようと走るのだが、まだ頭が重いのか不安定は走り方をするため、追いかけられている信時は気が気ではなかった。
「……あっ…きゃぅ」
カーペットに躓き、こけそうになるとすぐさま信時が春海を支えた。
一瞬何が何だか分からないという顔をしたが、自分を触っている信時をみて、
「ちゅかまえた〜〜」
と、ニコニコしながら信時のスーツを掴んだ。
「………あ……」
自分の失態に気が付き苦笑いするが、春海には怪我はなかったんだがらいいか、と思い直した。
「ちゅぎは、しんちゃんがおにね!!」
「はい」
「きゃぁぁ〜にげろ〜〜」
そう言って楽しそうに走り回る春海を二人は暖かいまなざしてみていた。
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