キリリク
□幼児化
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疑問は消えないが、この際考えるのをやめすぐさま信時に連絡を入れた。
『どうしたんですか?』
「話は後だ、今すぐ来い」
『えっ?ちょっまっ』
言い終わらないうちに電話を一方的に切った。
それから、30分もしないうちに信時はマンションにいくと、そこには小さな子供を抱いている自分の上司がいた。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………黎也の隠し子?」
ドゴン!!
「いっっったぁぁぁぁ!!」
悲鳴を上げたのは信時で、殴ったのはもちろん黎也だった。
信時は頭を押さえ、痛みにしゃがみこんでいると、ふと、何かが頭に触れた。
「………?」
不思議に思って痛みを我慢して顔をあげると、そこには心配そうに瞳を揺らすかわいい女の子のような男の子が、信時の頭をなでなでしていた。
「おにいちゃ…いたい…?」
「えっ?いえ!大丈夫ですよ」
「ほんと?よかったぁ」
ほっとしたように笑う姿はまるで天使のようで信時はつい、というか本気で天使がいるのではという考えが浮かんでいた。
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