キリリク

□アイデンティティ
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春海の両目からは涙が零れており、黎也を動揺させた。

「っ!どうした?!何処か痛いのかっ!」

春海はブンブンと首を横に降った。

そして鼻を啜りながら黎也と視線を合わせた。

その瞳は探るようなそして縋っているようでもありすごく不安で揺れ動いていた。

「…レイヤは…春海のこと…すきぃ…?」
「…はるみのこと…あいしてる……?」

寝起きと情緒不安定が混ざり合ってか、舌ったらずな話し方になっていた。

「あたり前だ。春海だけを愛してる」

黎也は普段見せない蕩けそうな笑みを浮かべ、安心するように、額、目元、頬に最後に口に口づけを落とした。

春海はあからさまにホッとしたような顔をし、安心した顔で黎也の胸に顔を埋めた。




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