FE聖戦の系譜
□親世代
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● 全ての始まり
序
聖戦士の末裔が治めしグランベル。
神々に祝福を受けた国だなどと言われていても、内実はどこの国でも大差はない。
永の平和に中央は腐りきり、貴族の感心事は政治や民からはなれたところにあった。狭い社会での権力争い。そして、刹那の慰めを求める一夜の恋に。
どれだけ権謀術中の渦巻く王宮でも、聖竜ナーガを操る術を持つ王家に対する忠誠だけは、建国当初から変わらずに続いて来た。それは、彼等の中に流れる聖戦士の血がそうさせたのか、建国史がただのお伽話になってしまった今も、彼等はヘイムの光を信じていた。
ヘイムの直系に生まれ、光の聖痕を受け継いだ王子もまた、己が光と正義を信じていたに違いない。
その、貴婦人と出会い、次第に惹かれ、恋に狂うそのときまで。