◆キリ番の作品

□DQキリリク
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■スライムのお使い

!注! オリジナル要素てんこ盛り、というかイメージを崩す恐れがあります。










 昔々、お城の向こう側に竜王のお城がありました。
 ある時竜のお姫様が重い病気になりました。
 竜王様はいろいろなお医者様や魔道士にお姫様を診せましたが、お姫様の病気は良くなりません。
 一人の大魔道がやってきて、竜王様に言いました。
「お姫様は、人間のお姫様の生き胆を食べさせればけろりと治りますよ」
 そこで竜王様は、人間のお城によく遊びに行くスライムに、人間のお姫様をつれてくるように言いました。
 この頃のスライムは、青いプルプルの体に、頑丈な骨と手足がありました。愛らしい顔に丈夫な体。人とも仲良く遊んでいました。
 スライムは「らだとーむ」のお城にやってきました。
 金髪巻き毛のかわいいお姫様は、お城の庭で日向ぼっこをしていました。
「ねぇ、お姫様。竜王様のお城に遊びに来ない? おいしい物や楽しいことがいっぱいあるよ」
 退屈していたお姫様は大喜び。
「まあ! 楽しそう! ちょうど退屈していたところです。参りましょう」
 お姫様はスライムに乗って、ぴょっこりぴょっこり出掛けました。
 歩いて竜王様のお城に行くのには、草原を超え、砂漠を越え、真っ暗な海底洞窟を越えなければいけません。
 お日様が西の空に沈む頃になって、お姫様は急に不安になりました。だってこれまで一度も、お城の外に出たことなんて無かったのですから。
「ねぇ、その竜王様のお城は遠いのですか?」
 竜王のお城がどこにあるのか、お姫様は知っていました。
 お姫様の暮らしているラダトームの対岸に聳えるお城がそうだと、前に聞いて知っていました。
 すぐそこに見えているのだから、こんなに遠いとは思わなかったのです。
「この先の洞窟を越えてもう少しだよ」
 そう言うスライムも、少し不安になりました。
「ねぇお姫様。生き胆は、ちゃんと持ってきたかい?」
「生き胆ですって?」
 生き胆というのは、生きた肝臓のことです。お姫様はびっくりして聞き返しました。
「何故そんなことを聞くのです?」
「竜のお姫様の病気には、人間のお姫様の生き胆が、一番良く効くそうだよ」
 スライムは無邪気に答えます。
 スライムの背中のお姫様は目を白黒。生き胆をとられたら、死んでしまいます。けれども平気な顔をして言いました。
「それは残念なことをしました。そうとわかっていれば、もってきましたのに。あんまりいいお天気でしたから、ベランダに干してきてしまいましたの」
「何だって! それじゃあ何にもならないや! すぐに取りに帰らなくちゃ!」
 スライムは大急ぎでラダトームに戻りました。
 ラダトームのお城に帰ったお姫様は、大急ぎでお城の塔の中に駆け上がりました。
「ねぇお姫様。生き胆はちゃんとあったかい?」
 城の中庭から見上げるスライムに、お姫様はあっかんべぇをしていいました。
「生き胆は体の中にあるのです! 干してなんかあるものですか!」
 言うなりお姫様は、ぴしゃりとお部屋の戸を閉めて、それきり出てきませんでした。
「うーん。だまされた」
 スライムはとぼとぼと竜王様のお城に帰ります。
 事の顛末を聞いた竜王様はかんかんに怒りました。
「この役立たずのおしゃべりめ! 舌を抜いて、体中の骨を抜いてしまえ!」
 スライムは、舌を引っこ抜かれ、体中の骨を抜かれてしまいました。
 以来スライムは、しゃべる事ができなくなり、体も、骨なしのぐにゃぐにゃだということです。


おわり





あとがき
短っ!!!

ご存知の方も多いでしょうが、元ネタは日本昔話の「くらげのお使い」です。
くらげ=スライム
猿=ローラ(って怒られますよ)

この後、同様にお使いに出たドラゴンちゃんは、無事にお姫様をさらうことに成功しますが、洞窟で昼寝をしているところを勇者に倒されてしまうのでした。
って、ローラさらわれてから半年以上経過してから救出されるんだよね。
ローラ幽閉はドラクエ7不思議のひとつです。
(後の6個は何だって? それは聞かないお約束)
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