◆キリ番の作品
□DQキリリク
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※以前のその後のその後話はDQ2破壊神〜のページに移しました。誠に申し訳ありません!(プロットと掛け離れたものになったため)
当初のプロットで書き直したものがこちらになります。どちらもエステット様に捧げます!
100HITキリリク
■嘘が上手くなるたびに
マリア視点(アレン←マリア)
ずっと、ずっと、
貴方だけ見て来ました。
小さな頃から、ずっと。
貴方が誰を見ているのか、本当は知っていました。
だってずっと見て来たのですもの。
婚約の話が決まった時は本当に嬉しくて。
貴方が誰を見ていようと関係ないと思っていました。
貴方は私の夫で、私は貴方の妻で、貴方の隣には私が、私の隣には貴方がいてくださったから。
貴方は私を大切にしてくださったし、貴方なりに愛してくださった。
それで満足でした。
私、幸福でした。
いつからでしょう?
貴方の目が、あの方を追わなくなったのは。あんなにも大切にされていたあの方を。
私の隣で、貴方はいつも、ご自分では気付かずにあの方を見つめていた。なのに、ぱたりと追わなくなって。
それがどんなに不自然な事か、貴方にはお分かりにならないでしょうね。
私は貴方の妻で、貴方は私の夫。
貴方の愛情を、疑った事等ございません。
貴方は私を大切にしてくださる。
愛してくださる。
貴方のお気持ちを、私だけに留めておくことが出来ないこともわかっています。
だから、だから
下手な嘘をお吐きにならないで。
あの方のところへゆく晩は、私に愛を囁かないで。
私が貴方の一番になれないことなんて、貴方を好きになったあの頃から、私は知っているのです。
私が貴方を愛していること
私が貴方の妻であること
それさえ確かならば、私は大丈夫だと思えるから。
だから、嘘をついて傷付かないで。