◆キリ番の作品

□DQキリリク
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拍手おまけから引越
お熱でしゅ


「へくしゅっ」

 大きなくしゃみをした後で、ローレはずずっと鼻を啜った。
 雨に濡れたのが良くなかったんだと思う。
 季節の変わり目で、このところ朝晩急に冷え込むようになったし。

「大丈夫?」
「ん〜?」

 わたしを振り返る顔が赤い。目もトロンとしている。熱があるんだわ。
 こんな隙だらけなローレも珍しい。

「大丈夫」

 全然説得力がないわ。
 まったくもう。

「強がり言ってないで、今日は寝てなさい!」
「ん、そうする」

 あら、拍子抜けしちゃう。
 抵抗するかと思ったら、やけにすんなりベッドに潜り込んだわね。
 本人も辛いんだろうな。人一倍元気な人が倒れるって不安だと思う。体だけが取りえなのに、その体が言うことをきかないんだから。

「薬をもらってくるから、いい子で寝ているのよ?」

 毛布から顔だけ覗かせたローレが、頷くのも辛いのだろう、目だけで頷く。
 熱があるからなんだけど、小さな子供のようで今のローレはすごくかわいい!
 保護欲というの? 母性本能を刺激される!
 無性に頭をなでなでして抱きしめたい。
 待って、相手は病人よ。
 でも…
 いってきますのキスくらい、いいわよ、ね…?

 熱で朦朧としてるローレのおでこの髪を持ち上げて、口づけたそこは、やっぱりとても熱かった。



2009.9.16
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