ドラクエ1

□アレフガルド100年
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■年代期 〜混迷のアレフガルド〜

 アレフガルドの歴史を学んだものにとって、ラルス16世の御世は多くのなぞを遺している。
 一つは勇者アレフと共に新天地に旅立ったローラ姫であり、一つはラルス17世即位直後の20年にも及ぶ、歴史の空白、あるいは矛盾である。
 そこで、筆者は一つの仮説を立てた。
 竜王にさらわれたローラ姫の救出作戦は、一度は行われたが再三に渡らなかったのは、ローラが国にとって重要な姫ではなかったからではないか?
 確かに、亡き王妃に生き写しの一人娘であったが、ラルス16世には既に世継ぎの王子が他におり、兵力を割いてまでローラを救出する必要がなかった。とするならば、ラルス16世は国王としてまともな人だったわけだ。
 竜王にしてみても、本気でローラを妻に迎えるつもりはなかったか、当面は人質としての使い方しか考えていなかったのだろう。
 もしくはローラ誘拐は部下の暴走か、ローラの家出であったと予測される。
 ラルスにせよ、竜王にせよ、ローラは重要な駒ではなかったと言うわけだ。

 ラダトームの街が城壁に囲まれていないことから、アレフガルドの治安はよかったと推測される。
 ラルス16世が恐れたのは、竜王城から派遣される魔物の軍団であり、個々の魔物ではなかった。
 アレフガルドの町が魔物に襲われなかったのは、竜王によって管理統制されていたためではないか、という仮説がここから成り立つ。
 これは筆者の憶測だが、竜王は非常に騎士道精神に溢れた立派な人で、配下の魔物に武器を持たぬ人間を襲うことを禁じていたのではないか。
 ドムドーラ壊滅はみせしめか、或は悪魔の騎士の、竜王を思う故の独断暴走であったのかもしれない。

 竜王が倒された後、統率を失った魔物は街道を跋扈し、村々を襲った。
 王城にローラ姫以外の王族がいなかったところをみると、ラルス16世は息子達を各都市の防衛隊長として派遣していたものと思われる。
 数少ない文献から、当時、各都市の領主がどのように都市経営を誤ったのか紹介しよう。

 ガライ候は詩人を目指し、責務を果たさず出奔。
 彼についての文献は見つかっていない。

 ラダトーム候は武に優れた野心家であったようだ。
 後に、ラルス17世として王位に就いているが、名君とは言い難かった。
 在位前から様々な謀略を巡らせ、王位に就いてからも、政争に明け暮れ国政をおろそかにした。
 アレフガルドの低迷期はここから始まる。

 ドムドーラ候は優れた人だったが、それ故に街と運命を共にした。
 この人が存命であったなら、あるいは現在のような悲惨な時代を迎えることはなかったのかもしれない。

 リムルダール候は真面目な男で、後にラルス17世との政争に敗れ、投獄されている。
 記録によると、ラルス17世の死後解放され、ラダトーム郊外で静かな余生を過ごし、82歳で死んだ。

 メルキド候はゴーレムを失い叱責され、防衛の為、兵力増強していた所、リムルダールを攻めるつもりだと唆されたリムルダール候に討たれる。
 一度はリムルダールに併合されたメルキドも、このあとのリムルダール侯失脚に伴い、管理者を失い、砂漠にのまれた。

 マイラは温泉が涸れ、人々はマイラを捨てた。

 勇者アレフが竜王から光の玉を取り戻して20年も経たないうちに、アレフガルドは人の手によって混迷の時代を迎えたのだ。

 混乱を避けて人々はラダトームに集まり、旧市街を捨てて城塞の中に移り住んだ。

 そして100年。
 アレフガルドはラダトーム以外に人が住まなくなり、広大な領土が荒野と化した。

 王国は滅びに瀕し、愚鈍な王を憎悪するまでになった民衆の手によって、王制が廃止される。
 アレフガルドに朝が戻ってから523年目に、ラダトームは共和制に移行した。

 しかしアレフガルドは新たな英雄王を求めている。



〜サマルトリアの歴史学者の記載より〜

 DQ2の考察→年代記
 

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