Sonud Horizon

□ Moira
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遥か地平線の彼方へ-Οριζονταs-


【暗誦詩人と其の弟子】
(Milos, blind poet and his disciple.)
《「遅ぇぞジジイ、置いてくぞ」
「ほっほっほっほっほ…」 》

少年の今は旅の空
《「言の葉を操り森羅万象を詠う」 》
賢人の詩も上の空
《「詩とはそもそも神の御業じゃ」》
幾年も仰ぐ高き空
《「エレフ、創世の三楽神を知っておるか」》
老人は嗤う蒼き空《「ほっほっほっほ…」
 「…リスモス、メロス、ハルモニアの三柱じゃ…」 》
《「…そんな一度に言われても覚えらんねぇよ…。」
「ほっほっほっほ…」 》

少女を尋ね幾千里
《「万物の創造主たる母なる者……」 》
海原渡り征く海里
《「リスモスはミラ、メロスはモイラと呼んだそうじゃ」 》
彼女を捜す侭山里
《「前者はパイロン、後者はアルタラーイコンと呼ばれ…」 》
高原臨む彼の郷里
《「それこそが言の葉の起こりと言われっ、ごほっ、ごほっ……!」 》
《「大丈夫かい爺さん?」
「ああ……」
「今日はこのあたりで休もうか?」
「はぁ…。ほっほっほ…」 》
天そらの隨(まにま)に 咲ける星屑
運命かぜに惑う一片 寄り添う双星

《「あれぞ…お主の星じゃ……」》

こらーぁ
あはは、はは


嗚於…故郷よ(アルカディア) 
   ああ、還らざる夢
倖せだった 
   ああ季節達よ 
幼き日々の 
   ああ残照が尚
未だ眩く
   ああ胸を刺す 
二つ並んだ 野晒しの墓標
朽ちた花飾り 葬ったのは誰ぞ?

《「あぁ…。父様…母様…!(賢者の台詞の間、エレフは泣いている)」
「気を落とすでないぞエレフ。わしはこの先、雷神殿(ブロンディシオン)に行こうと思うておる。師弟ごっこは此処で終いじゃ。」
「お師匠…!」
「さぁ、お立ちなさい友よ。お主は、お主の地平線を目指して…!」 》

青年は今も旅の空《「エレフ、困ったときはレスボス島を訪ねなさい」 》
詩人の島は遠き空《「わしの旧知の友が力になってくれるじゃろう…」》
聖女を尋ね復千里《「マケドニア、トラキアは今危険な情勢じゃ…」 》
恩人と別れ復海里《「戦を避けるには海路を行くが良いじゃろう」》
《「友よ、己の信じた道を行きなさい。死すべきもの、我は詠おうぞ。ЭЛэфсеиаエレフセイア(ELEFSEIA)…愛すべき友を…戦いの詩を…」》

【港を賑わす風の噂】
《「おい知ってるか?アナトリアの武術大会の覇者…」
「弓の名手、オリオンだろ?」
「そう、そのオリオン…。何と蝕まれし日の忌み子だからって捨てられた王子様だったらしいぞ…。」
「へぇ、世の中一体どうなってるんだか。」
「その真意は…、
二人:「「"Moiraのみぞ知る"――」」「…ってか?」 》
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