Sonud Horizon

□ Moira
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死せる英雄達の戦い-Ηρωμαχια-


「死を招く紫水晶の瞳。あの者と戦ってはなりません」 
「何故です、母上」 
「貴方は平凡な生より、英雄としての死を望むというのですか」
「母上、死すべき者達が、私を待っているのです」
「行かないでおくれ! あの者は…」
「ハッ」
「レオン!……嗚呼……Λεωντιυς(レオンティウス)!」 

「アメティストス将軍に続けー!」 
【歴史は駈け廻る】
The chronicles of Mythos. It's as rapid as the blink of an eye.

「小雨がちらちらと煩わしいですね……」 
「安全圏からしか撃てぬ腰抜けどもめ!」 
「弓兵は、相手にせずとも良い。オリオン亡き今、奴等は只の雑魚に過ぎん……」 
「閣下、敵の指揮官はどうやら……」 
「猪突猛進しか知らぬ馬鹿のようですね」 
「ですな」 
「シリウス!お前の部隊は左、
 オルフ!お前の部隊は右から廻れ、挟撃するぞ!」 
「はっ!」 
「御意」

「赤子たちよ……」


不死なる者が薙ぎ払う 紅い緋い死の渚
今は物言わぬ屍 彼等にも物語があった

されど ささやかな希望(みらい)さえ 運命(うんめい)は[ミラは]赦さなかった

変わり果てた彼等に 接吻(くちづけ)する者は
愛する恋人(ひと)ではなく 飢えた禿鷹(はげたか)のみ……


《Hades ksifos Eleuseus (ハーデス クシフォス エレフセウス)
ho ton fobos se thanatos (ホ トン フォボス セ サナトス)
Monos lykos Eleuseus (モノス リコス エレフセウス)
forte Hellenes gia thanatos (フォルテ へレーネス ヤ タナトス )》


「久しいな、Ιλιον(イーリオン)よ……我等、忘れはしまいぞ!
 お前を守る楯が、誰の血によって築かれた物かをなぁ!」おおおおお 
「号令を、閣下ー!」 
「突撃ぃぃぃぃっ!!」 




「陛下! Ιλιον(イーリオン)が落ちました……!」
「何!?」 
「件(くだん)のΑμεθυστος(アメティストス)率いる、奴隷部隊の仕業のようです……!」
「馬鹿な、Ανεμος(アネモス)の加護あつき、あの城壁を……」 
「Ανεμος(アネモス)の 眷属、英雄Ιλιας(イーリアス)をも討ち倒す程の武勇!
 奴もまた陛下と同じく、神の眷属なのやも知れませんぞ!」



レグルスは東夷(バルバロイ)に備えろ (はっ!)
ゾスマは北狄(アマゾン)に備えろ  (はっ!)
カストルは聖都(イリオン)へ供を (はっ!)
我等【雷神に連なる者】(アルカディオス) 皆生きてまた逢おうぞ!


『運命は残酷だ されど彼女を怖れるな
女神(Moira)が戦わぬ者に 微笑むことなど決してないのだから』


『人間(ひと)は皆 何時(いつ)までも無力な奴隷ではない
戦うのだ 気紛れな運命(かみ)と 未来を取り戻す為』

【遂に出逢し二匹の獣】
→ At last... The path of two beasts had crossed.

「奴がアルカディアの……憎き地の国王……ミーシャの仇!!」 
「勇者デミトリウスが仔、Λεωντιυς(レオンティウス)。私が相手になろう!」 
「望むところだぁ!!」 


奪い合う 時代(とき)の覇権 永遠(とわ)なる調べよ

「くっ……Αμεθυστος(アメティストス)、やはり只者ではない……!」 
「ふんっ」
「はっ!」

駈け廻る趨勢 生命(せい)は流星 刹那の煌(きらめき)

「この男、強い……!」 
「なぜこれ程の男が……」 

死せる者達が 駆け抜ける 神話の時代よ
屠り合う英雄 死して冥友 去り逝く運命


Λεωντιυς(レオンティウス)
「Αμεθυστος(アメティストス)……へレーネスのお前が何故、Βαρβαροι(バルバロイ)の侵略に加担するのだ」 
Ελευσευς(エレウセウス)
「祖国が私に何をしてくれた……愛する者を奪っただけではないか! 笑わせるなぁ!!」 
「はぁっ!!!」


「おやめなさい!」 
「は、母上っ!?…ぬわぁ!」 
「あぁっ!」
「レオン……エレフ……おやめなさい………っはぁ」 
「母上……Moiraよ……うっ……」 
「私を置いて逝くな! 許さんぞ……Λεωντιυς(レオンティウス)!」 
「うぅっ!! ぐふっ……」

Θάνατος・・・
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