Sonud Horizon

□Roman
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緋色の風車

廻る回る《緋色の風車》(Moulin Rouge)綺麗な花を咲かせて

躍る踊る《血色の風車》(Moulin Rouge)綺麗な花を散らせて

小さな掌に乗せた硝子(ガラス)細工…

其の宝石を『幸福』(しあわせ)と謳うならば…

其の夜の蛮行は時代にどんな爪痕を遺し…

彼等にはどんな傷痕を残したのか…

運命に翻弄される弱者の立場に嘆いた少年は…

やがて『力』を欲するだろう…

其れは… 強大な力から身を守る為の『楯』か?

其れとも… より強大な力でそれをも平らげる『剣』か?

何が起こったのか 良く解らなかった…

泣き叫ぶ狂乱(Lune)[ルナ]の和音(Harmonie)[アルモニ] 灼けた屍肉(にく)の風味(Saveur)[サヴォール]…

何が襲ったのか 良く解らなかったけど…

唯…ひとつ…此処に居ては 危ないと判った…

僕は一番大切な《宝物》(もの)を

持って逃げようと → 君の手を掴んだ……

嗚呼…訳も解らず息を切らせて走っていた二人

欲望が溢れだすままに暴れて奴等は追い掛けてくる……

( 「はっ」 「はっ」…)
星屑を辿るように…森へ至る闇に潜んだままで…

訳も解らず息を殺して震えていた二人

絶望が溢れだすことを怖れて強く抱き合っていた――

不意に君の肢体(からだ)が宙に浮かんだ →

(「あああ…」)
怯え縋るような瞳(め)が ← 逃げ出した僕の背中に灼きついた……

(「にげて、あ…」)
狂0105[お]しい《季節》(とき)を経て…少年の《時》は流転する…

廻る回る《緋色の風車》(Moulin Rouge)灼けつく《刻》(とき)を送って

躍る踊る《血色の風車》(Moulin Rouge)凍える《瞬間》(とき)を迎えて

嗚呼…もし生まれ変わったら 小さな花を咲かせよう…

ごめんね…次は逃げずに 君の傍で共に散ろう……

(Moulin Rouge)

(其処にロマンは在るのかしら?)
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