Sonud Horizon

□Chronicle 2nd
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聖戦と死神 第二部「聖戦と死神」〜英雄の不在〜
愚者は問う…鉄壁の王城を捨て
女王は何処へ往くのかと…
賢者は識る…どれ程堅牢な守備を誇ろうと
陥落しない城など存在し得ぬことを…
プリタニア暦627年『カンタベリーの戦い』
ハーシファル騎士団長率いる第四騎士団
ドーバーより上陸した帝国軍第一陣を迎え討ち
カンタベリー平原にて開戦
どんな敵も恐れはしない祖国(くに)を護る為に剣を振るえ
胸に気高き女王(クイーン)の薔薇を抱いた同胞(とも)よ
進め我らは<薔薇の騎士団>(ナイツ・オブ・ザ・ローズ)だ
死をも恐れぬ薔薇の騎士達は彼に続く…
緋い戦場を駈け廻る一条の雷 パーシファルの雷槍(スピア)
進め我らが<薔薇の騎士団>(ナイツ・オブ・ザ・ローズ)だ
──時は来た!時は来た!(Chrono, Velesa! Chrono, Velesa!)
──時は来た、見よ!ベルガの死神だ!(Chrono, Venies! Vidies! Velesa!)
帝国暦元年『グラスミアの戦い』
アルヴァレス将軍率いる帝国軍第三陣
辺境の地 ホワイトへブンより上陸
疾風の如く馬を駆り敵陣の後背を突いた…
殺す相手を愛する者や 祈る者がいることは忘れろ
邪教の使徒は根絶やしにしろ 眼を背けるなこれが<聖戦>だ
燃え上がる山村 虐殺される人々
逃げ遅れた娘 追い駈ける男
馬上で弓を引き絞り 獲物に狙いを定める
放たれた火矢 細い娘の身を掠める
「シャルロッテ!」
転倒した娘 飛び出した男
娘に振り下ろされた白刃を弾き返す
動かない娘 向かい合う二人の男
此方…白馬のアルヴァレス
彼方…黒馬のゲーフェンバウアー
「武器を持たぬ者に何をするのだ…」
「小娘といえど邪教の使徒、情けを掛けてやる必要などありわせぬ…」
「道を踏み外すな目を醒ますのだ…」
「貴様にだけは言われたくないわ…偽善者、英雄狂、人殺し<ベルガの死神>(アルベルジュ)」
「親父はオッフェンブルグで死んだ…兄貴も…弟も…戦友も…皆…」
「待て…貴様、帝国を裏切るつもりか…まぁそれも良かろう…<ベルガの死神>(アルベルジュ)よ、
貴様を殺す男の名を忘れるな、その男の名こそ<ベルガの死神の死神

(ゲーフェンバウアー)だ!」

幾度も繰り返される過ち 歴史に何を学ぶ…
奪い奪われてはじめて 気付く闇がある…
──時は来た!時は来た!(Chrono, Velesa! Chrono, Velesa!)
──時は来た、見よ!ベルガの死神だ!(Chrono, Venies! Vidies! Velesa!)
狭い山道を風のように駈け抜ける白馬
馬上には白銀の甲冑の男
傷ついた娘を抱きかかえたまま南へと疾り去る…
「ゲーフェンバウアー…世界を憎み呪うかのようなあの眼…
あの男は私だ、私の過去だ…ロッテ…嗚呼…シャルロッテ…私は何と戦えば良い…」
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