Sonud Horizon

□Chronicle 2nd
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聖戦と死神 第一部「銀色の死神」〜戦場を駈ける者〜

第九巻 527ページ…
プロイツェン領オッフェンブルグ…
眩暈がする程の血の雨の薫に咽ぶことなくその男は笑っていた…
フランドル暦182年『アラゴンの戦い』
アルヴァレス将軍率いる フランドル軍五千
ピレネー山脈を越え カスティリヤ領に進撃
アラゴン平原にて カスティリヤ軍
北方防衛駐留部隊一万二千を相手に開戦
勇み歩を進める毎に 足元に死が絡みつく
研ぎ澄まされてゆく刃風(かぜ)に 敵兵は戦意(こころ)惑わす
猛る兵士と軍馬の嘶き「全軍突撃!我に続け…」
白銀の甲冑…<ベルガ人の将軍>(アルベルジュ)
──時は来た、見よ!ベルガの死神だ!(Chrono, Venies! Vidies! Velesa!)
「時に…アルヴァレス卿の軍はまた勝利を収めたようですな…
倍数以上の敵軍を完膚なきまでに叩きのめしての大勝利とか」
「…銀色の死神、忌々しい<ベルガの亡霊>(アルベルジュ)め、
今や陛下よりも奴を崇拝
する者まで出始めておる始末」
「丁度良い手駒もあることで御座いますし、機を見ていづれ、
目障りな英雄殿には、ご退場願うのが宜しいかと」
「手駒…ああプロイツェンで捕虜にしたあの男の事か?
…破滅を演じる歴史の舞台、今宵も面白い劇が観れそうだ…」
「我ら<唯一神>(クロニカ)の名の下に…」
彼は誰が為に戦場を駈けるのか…護るべき女性(ひと)と祖国(くに)を失って尚…
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