Sonud Horizon

□Chronicle 2nd
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聖戦と死神 第四部「黒色の死神」〜英雄の帰郷〜


アルヴァレス亡命の報は 帝国のみならず
ガリア全土に強い衝撃を響かせ疾った…
時代は英雄を求め 反撃の狼煙は上げられた
旧カスティリヤ領が 帝国に対し独立宣戦を布告
旧ロンバルド領 旧プロイツェン領がそれに続き
帝国内部で高まりつつあった聖戦への反感が遂に爆発
アルヴァレスを頼り 軍・民・問わず亡命者が殺到
更に熾烈な四正面作戦を強いられた帝国は
次第に領土を削られ 国力を疲弊していった…
そして…戦局の流転は 時代にひとつの決断を投げ掛ける…
それは…皇帝 聖キルデベルト六世より
プリタニア女王へと宛てられた一通の親書…
帝国暦四年『ベルセーヌ休戦協定会談』
帝国領イヴリーヌ ベルセーヌ宮殿
大理石の回廊を進む薔薇の女王
左にはパーシファル 右にはアルヴァレス
柱の陰には招かれざる客…
黒の教団より放たれし刺客…
死角(刺客)より放たれし時(黒)の凶弾…
嗚呼…歴史は改竄を赦さない…
凍りつく時間の中を 崩れ堕ちるアルヴァレス
パーシファルの雷槍(ヤリ)が閃き 崩れ落ちるゲーフェンバウアー
それは…歴史の流れが変わる瞬間だろうか?
それとも最初から全て決められていのだろうか…
「…先に逝ったのか…ゲーフェンバウアー…人間(ひと)とは全く…哀しい生物(もの)だな…」
彼を誘う最期の闇 その中にさえ…
「嗚呼…朱い…何て朱い夕陽なんだ…シャルロッテ…私は必ず…必ず帰って…」
ブリタニア暦630年 英雄アルベール・アルヴァレス
イヴリーヌ(ベルセーヌ)宮殿 にて暗殺者の凶弾に倒れる…
彼の墓碑銘にはルーナ・バラッドが捧げた詩の一節が刻まれた…
多くを殺し 多くを生かした 多くを悩み 多くを為した <ベルガの同胞>(アーベルジュ)ここに眠ると…
ガリア全土を巻き込んでなお停まらない大戦
その終結には…更に多くの血と涙 五年の歳月を要するのである…
夕陽に染まる丘 寄り添うように並ぶ二つの墓標
白鴉が凛と羽ばたいて往く 終わらない空の向こうへ…
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