Sonud Horizon

□イドに至る森に至るイド
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この狭い鳥かごの中で

四角く切り取られた空 幼き日のわたしの世界
窓辺に降り立った君は 月光のようにやさしくわらった

<メリツ・フォン・ルートヴィング エリーザベト・フォン・メッティ 運命は結ばれることのない二人を、無慈悲なその手で引き合わせてしまった。>

冷たい土の下に埋められたはずの 歴史の闇の中に葬られたはずの影の存在
友達がほしかったけど、それがどんなものか知らなかったよ
無明の時の果てに暴かれるままの
葦毛の馬の背なに(もっと急ぎなさい!マルコ(?)揺らされるままの弱き存在(しっかりつかまってください!ハイヨー!)
鳥籠の中にいる事 それがどんな事か知らなかったよ
君に会うまでは淋しさの色も愛しさの意味も知らなかったよ
きみは ああ わたしだけの翼(ウィング) 外に広がる世界を ああ やさしいきみの瞳(ヴュー) 教えてくれた
鬱蒼と覆い茂る夜の森 足下にきれいな花を
(見て!綺麗! うわぁ、ほんと!)
頭上に星屑ちりばめて二人は笑った
(「「あはは」」)
どんな幸せな出会いにも別れの日がある
(メル、この森にはフランシスがなしだ。もうそろそろ…」「まって」「どうかした?」「せめて、せめて友達にお別れがいいたいわ」「わかった___
さあ、行っておいで」「はい」)
そして それは突然訪れる(いってまいります)
斜陽の口付け
「「せめてわたしのかわりにこのこをいっしょにつれていってね」」

「メル、絶対、絶対迎えにきてね」
「ああ、やくそくさ」

<森の賢女が魔女として火刑台に送られ 後に私は彼の死を知る>

無情に流れる時がもたらしたものは ああ君のいない灰色の季節とただ望みもしない婚礼
現在(今) 水面にゆれる面影 すり抜ける過去の光
衝動(イド)は枯れるまで欲情(イド)をたたえるけど 自欲(エゴ)は知っている彼以外、もう愛せないと
狭い鳥籠の中 翼(君)を失くしたこの世界で 地に落ちるそのときまで月光のように羽ばたいて見せよう

<弱きもの 拒絶され、世界から虐たげられたもの同士が傷を嘗めあっただけの幼い恋だと、君は笑うだろう。
やがて疾(はし)り出す夜の復習劇 第七の地平線

物語は、続く>

「さぁ、お父上がお待ちです」
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