◆ときめきトゥナイト

□お題外2
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冬の朝 2

無駄遣いだと、窘められる。
わたしは「そんなことないもん」といいながら、本当は彼の言う通りだと少しだけ後ろめたいの。
必要もないのに早朝家を出て、コンビニでミルクティーを一本買う。用もないのに何となく店内を見て回り、数分の時間を潰す。
店内放送が7時を告げると、

「お疲れー。レジ代わるよ」
「お願いします」
「おう。ガッコ行ってこい苦学生」

聞いてない振り。でも耳はどうしてもそちらに集中してしまう。
買ったばかりのペットボトルを両手で抱き締めて、お店の裏へ。
7時3分。裏口から出てきた彼が、まったく、なんて言いながら、頭を撫でた。

「風邪引くぞ」
「えへへ」

カイロがあるから、平気だもん。

「鼻の頭、赤くなってるけどな」

ペットボトルごとわたしの手を取って、彼はポケットにしまいこむ。

「手はあったかいよ?」

返事の代わりにぎゅっと握る手に力がこもる。

「朝ごはん、食べていくでしょう? 今日は肉豆腐丼でーす。昨日の残りをアレンジしてみました」
「朝っぱらからがっつりだな」
「あら、食べないの?」
「そんなことは言ってない」

うふふ。
えへへ。
いいなぁ。こういうの。
人気の少ない冬の朝だから、こんな風にくっついて歩けるんだよね。だからどんなに寒くても、早起きが辛くてもかまわない。カイロ代わりのミルクティーだって、ぜんぜん無駄遣いなんかじゃないんだから。
だって、ペットボトル1本で、こんなに幸せになれるんだから。




20140219
ありきたりでもいい!
小さい幸せが好きです。
そして知らないうちに玉砕していくモブキャラ。
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