◆ときめきトゥナイト
□ときめき お題外
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まろちゃさんのコメントから発生した妄想です。深夜だしな! よく考えないで突っ走るぜ!
あなたを殺すのは
「はー」
ステキ。
ゆりえさんから借りた本。
日ごろ本なんてあんまり読まないから読むのに時間かかっちゃったけど、物凄く感動した。
お父さんが書いてる「四界伝説」が出来上がったらきっともっと感動するんだろうな。
だって、だって・・・!
わたしと、真壁くんの事が書いてあるんだもん!!
ゆりえさんから借りたこの本もね、魔界の王子と妖精の女の子の許されない恋の物語なの。
きゃ〜〜〜〜!! まるで「蘭世と俊」みたいじゃなぁい!
王子は妖精を愛してるんだけど、プライドが高いから自分の気持ちに正直になれないの!
ほら、ほらほらほらぁ 真壁くんみ た い ! きゃっ♪
要請の少女もね、一途に王子を信じてるんだ。わたしだって、真壁くんのこと信じてる。だって大好きだもの。
でも、このお話だと2人は結ばれないの。
妖精は、王子を魔界の王にしようとする大臣のボウリャクで殺されてしまうんだもの。王子は恋しい妖精を殺した人間を滅ぼす事を決めて、復讐の鬼になるの。
じっ・・・
もし、もしも、わたしが・・・
すぱこんっ
「あいたっ」
かなりいい音がした〜
さっきとは違う意味で涙がにじんだわたしに、真壁くんは「はぁ」って大げさなくらい大きな溜息をついた。
う、なによぅ
「おまえ、むなしくないか?」
? なんで?
「なんで、って・・・」
もう一回。今度はさっきより小さく溜息。
「本だろ? ただのお話」
「そう、だけどぉ・・・」
「前も言ったと思うけど」
わっ
ふわりと真壁くんのニオイ。
だだだだだだ、抱きしめられてる!? しかも、そっ、と。
「おれはおれで、お前はお前だろ?」
み、耳元でしゃべらないでよぅ。しかもそんな低い声で〜
「あ、あのね」
「うん?」
ちかい! ちかいってば!
このお話、最後に魔王になった王子さまを妖精が殺すの。
「妖精は死んだんじゃなかったか?」
「そうなんだけど、色々あって生き返るの。で、世界を滅ぼそうとする魔王を彼だとは知らずに戦ってね、殺しちゃうの」
こんなふうに。
真壁くんは驚いてちょっとだけびくってなった。
あ、あったかい。どくどく言ってる。
「当たり前だ。生きてるんだから」
「”あなたを失った世界はわたしにとって意味のないもの。出会わなければ、あなたを殺す事もなかったのに。でも、こんなに人を愛する事もなかったでしょう=v
頚動脈、だっけ? そこにからうえに手をずらして、顎のラインを指でなぞる。それから・・・
「おま・・・」
「わたしなら、真壁くんを殺さない」
へへ、キス、しちゃった。
「だーいすき」
今日の蘭世はどこまでもダイタンなのです。
ぎゅっっと抱きついて、気が済むまで真壁くんをぎゅむぎゅむしたいの!
大好き、って言葉だけじゃ、きっとこの気持ちは表しきれないから。