そのたのよみもの
□*今日はチム日和?*
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―Δ悠久の古都 マク・アヌ―
「お!ハセヲ〜〜……―――」
「クーン!」
タウンに転送してきた三人の前に現れたのはクーンだった。
しかしハセヲを呼ぶその声は最後辺りが小さかった。
「また八咫からの呼び出しか?それともパイを通しての呼び出しか?w」
「いや、それもあるんだけどぉ…――」
そうだ!
クーンならシラバスとガスパー、
この二人に起きたことを知っているかもしれない……
「それよりクーン、お前に聞きたいことが……」
「クーンさんチム!」
「………はぃ?」
クーンはシラバスの言葉に聞き返した。
「え、シラバスぅ〜…?(^^;)」
あー……
先にいきさつを話すべきか……
「まあ、話せば長いことになるような…なんないような……」
「大丈夫!
理由はちゃんと分かってるチム!
だから大丈夫チム!!」
あれぇ…?
俺、幻聴がさっきよりも酷くなってきてるのかなぁ…?
クーンの言葉に、そこにいた俺を含め三人は絶句した。
「………クー…ン?」
「俺もなってるっぽいチムw」
もう、今日はチム日和なのか……?(訳分からん
少しばかり、沈黙が走った。
「ハセヲ!クーン!ここに居たチムね!」
あれ…?
今の、オバサン…パイの声だよなぁ…?
パイが走ってこっちへ向かってくる。
「パイ!」
そうだ!
パイなら何か知っているはずだ!
「とりあえずレイヴンの@HOMEまで行きましょう。『知識の蛇』で八咫様がお待チム」
…語尾がおかしいと、人の印象はこうも変わってしまうのか…?
そういうものなんだろうか…
俺は一人考えながら、パイ達と共に@HOMEへと向かった。
―レイヴン@HOME『知識の蛇』―
「八咫様、ハセヲとクーンを連れてきましたチム。後の二人はカナードの@HOMEにいますチム
(訳:八咫様、ハセヲとクーンを連れてきました。後の二人はカナードの@HOMEにいます」
「そうか…ご苦労だったチム
(訳:そうか…ご苦労だったな」
お前の語尾が『チム』だと逆に気持ち悪りぃ……
ハセヲはそんなことを思いながら八咫を見ていた。
「………なんだか視線が痛々しいが…チム」
お、八咫、気付いたのか。
「ハセヲ!八咫様に失礼チム!!
(訳:八咫様に失礼よ!!」
「いや、失礼もなにも普通誰でもそう思うんじゃないか…?」
「そんなわけないチム!!八咫様に失礼チム!!
(訳:そんなわけないでしょう!!八咫様に失礼でしょ!!」
「パイの事もふくまれてるんだけど……」
「あなたねぇ…!!クーン!!あなたからも何か言って………」
「………っ………」
パイの視線の先のクーンは…
…笑いをこらえていた。
さすがクーン。
八咫の時から笑ってたな。
「クーン……」
「狽ヘっ!!!ちょ、タンマ…」
「落ち着きたまえ、二人ともチム」
「八咫様…チム」
「…」
八咫、やっぱあんたが言うと抵抗あるな。
「……今、『The World』にログインしている全てのプレイヤーにおかしな症状が現れているチム」
「!」
「八咫様…それは……」
「そのほとんどのプレイヤーは、語尾に『チム』がつくようになっているチム」
「それは、AIDA現象なのか?」
「可能性は……否定できないチム(Vol.1風に)」
やっぱり、これも大規模なAIDA現象なのか?
そうだとしたら、ログインしているプレイヤー全員……?
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