夢と貰い物

□あの日の少年が死んだ
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「夜久先輩は本当に自分勝手で無神経で、
 人の気持ちなんてこれっぽっちも考えないで。
 先輩は僕が苦しんでいようと関係ないって顔して、
 僕がどんな思いをしているのか知っているんですか。
 結局面倒なんでしょう重苦しいんでしょう僕が。
 ねえ先輩どうして黙っているんですか、
 どうしてそんな顔するんですか」



余裕釈々な態度は遥か彼方に消え失せ、
みっともなく涙で顔をぐしゃぐしゃにして
私を激しく批難し責め立てる格好悪い梓君は、
私が一言でも反論しようものなら壊れてしまいそうだ。



そんな被害者振ったって傷付いてるのは梓君だけじゃないのよ、
今の私の特別扱いは高いんだから。



「私が良ければいいんだから、
 梓君の気持ちなんて私には関係ないもの」



彼を傷付けない方法はいくつも転がっているけど、
それで彼は救われるのかと誰かが問う。
それこそ関係ないのよ、梓君は私のものだもの、
私が幸せなら梓君だって幸せに決まってる。



だからそんな嘘をつくのはやめてよね。





End.





→あとがきと御礼。
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