テニスの王子様
□クラスメイトとべたな展開に挑戦する5題
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3.重い資料運びをしていたらさりげなく手伝ってくれた(亜久津・千石)
「わっととと…」
学園祭の準備期間中。
この期間だけは、どの部活も活動を停止し、
各クラスでの作品作成に取り組むものなのだが、
千石のように運動部員が【壁新聞】担当だったりすると、
沢山の資料を図書室や職員室から
教室まで運ぶのを任されることが多く。
今も、女子達に良いように言い丸められた千石は、
両手から溢れんばかりに沢山の資料を
少しフラつきながら運んでいた。
「おい、千石」
そんな千石の背後から、クラスメイトである亜久津の声が聞こえ、
千石は振り向くことなく「あ、あー亜久津ー何ー?」と返事をした。
目線は手元の資料へ向いたままだ。
「持ってやるよ」
「え、亜久津?」
ぱっと、手元の荷物が軽くなり、
千石は驚いた表情のまま、隣に立った亜久津を見やり。
見られた亜久津は、なんとなくバツが悪そうにそっぽを向いたが、
明らかに半分以上の資料を奪い取って歩き出した為、
千石もくすくすと笑みを浮かべながら、歩を進めた。
→4.席替えで二度連続隣りの席になった(慈郎・宍戸)