テニスの王子様
□クラスメイトとべたな展開に挑戦する5題
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1.授業中指されて戸惑っていたら助けてくれた(仁王・丸井)
『今日は良い天気だなぁ…』
窓際の後ろから二番目の席。
そこに座っている丸井は、頬杖をつきながら、
ぼー…っと、窓からの景色を眺めていた。
ぽかぽかと暖かな陽気を感じながら、
丸井の頬は自然と緩んでいく。
…と、その時。
「じゃあ、この問題を…丸井」
「うぇっ?!」
突如、教師の口から丸井の名が告げられた。
そう、今は授業中だったのである。
当然の如く、丸井は授業なんて聞いていなかった為、
答えどころか、【この問題】がどの問題かすらも分からず、
慌てて教科書を開き始めるが、やはり分からない。
授業を聞いていなかったので、答えられません…
なんてことになれば、良い笑い者だ。
そんなことを考えている丸井の背後から、
小さく「x=3」との呟きが聞こえ、
丸井はハッ!として、後ろを振り返った。
「えぇから、【x=3】って答えんしゃい」
そこには、先程の丸井と同じく、頬杖をついている仁王が
余裕ある笑みを浮かべて座っており。
丸井は、言われた通り「えっと…x=3です」と答えた。
「正解だ、少し時間がかかったが、座って良いぞ」
「へーい」
仁王が教えてくれた答えは、正解だったらしく。
クスクスと声を出さずに笑い続ける仁王に、
丸井は「んな笑うんじゃねぇ…けど、サンキュ」と、
少しだけ照れながら告げたのだった。
→2.放課後の教室で想い人の席に勝手に座ってみたところ本人に目撃された(不二・菊丸)