テニスの王子様

□宍戸先輩の一言にときめく5題
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4.待ってろ(神尾)





不動峰中テニス部には、俺の先輩は橘さんの一人だけ。
その為か、俺は少しだけ【先輩】という存在に飢えているのかもしれない。
氷帝や立海みたく、三年生の方が多い…
そんなテニス部が羨ましく感じることも、実はよくある。



別に、橘さんや今のテニス部に不満があるわけじゃない。
ただ、時々、自分でもわけが分からなくなる程、
【先輩】という存在が恋しくなる時があるだけだ。



『わりぃな、ちょっとだけ遅れそうだ』
「大丈夫っスよ、ゆっくり来て下さい」



特に、今電話している宍戸先輩のような、
如何にも「先輩!」といった感じの先輩が、だ。



ちなみに、今は部活後に一緒にゲーセンへ行く為、
待ち合わせをしている所だ。
宍戸先輩は、基本的には、時間に遅れない。
そして、今日みたいに遅れる時は、必ず連絡をくれる。



『片付け終わったら、ダッシュで向かうから、
 もう少しだけ待ってろ』



先輩に「待ってろ」なんて言われたら、
来るまで無心で待っていられるあたり、
俺は予想以上に【先輩】という存在に飢えているらしい。





(盲目的になれるその一言が、たまらなくときめくんだ)





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