テニスの王子様

□本当の願い事
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「おい宍戸、今年はどうするんだ?」
「どうするって…何が?」
「七夕だよ、七夕」



跡部は部誌を書きながら。
宍戸は雑誌を読みながら。
視線を交わすこともなく、会話を続けていく。
話題は、季節行事である【七夕】についてである。



「七夕なぁ…そういえば、そろそろか」
「今年も笹に短冊、準備するか?」
「なんか、この歳になっちまうとさ、
 そういう細かい行事ごとが、面倒になっちまうんだよな」
「全くだな」



去年は他のレギュラーメンバーがやる気を出し、
演劇部から笹を借りてくる等し、部室で七夕をやったものだが、
今年は二人を始め、皆がやる気を出しておらず、
特に準備等もしていない状態なのだ。



「じゃあ、今年は無しにするか」
「んー、それはそれで、なんか寂しいよな」
「我儘な奴だな」



特にやる気も無いが、何もしないことには少しばかりの不満があり、
「うーん…」と悩み始める宍戸に、跡部は小さな苦笑いを浮かべた。
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